前回は父方のじいちゃん家の話だったが、母方のじいちゃん家もかなりやばい所だった。

母方のじいちゃんは、元は結構いい家の長男として生まれ、後継ぎになるはずだったんだけど、じいちゃんの母ちゃんが精神を病んでしまい離婚してしまったので、後妻の長男が継ぐ事になったんだ。
で、じいちゃんはばあちゃんと結婚を機にとある団地に引っ越した。
そこがお話の舞台

その団地がある場所の地名は●塚。
その名の通り、近くには古墳が点在する山があり、その山を削って建てられた団地だ。
それのせいかどうかはわからないが、団地は常に陰鬱な雰囲気に満ちており、電灯も常にチカチカと点滅していて不気味だった。
バカでかい蚊トンボ(ガガンボの事)とか蛾がたくさんいて気持ち悪かった。

この団地がいつから建っているのかはわからないが、母ちゃんが生まれる前から住んでいるので俺が預けられている頃には少なくとも30年位経過している事になる。

ある時俺と弟はじいちゃんの家に預けられた。
団地の横にある公園で遊んでいたら、後ろから急に声を掛けられた。

「アン●ンマン!アン●ンマン!ウヒヒヒヒ」

なんなんだ…?と後ろを振り返ると、髭が伸び放題の、ずっと洗濯してなさそうなボロっちいはんてんを着た50代位のおっさんが立っていた。
髪はフケだらけでボサボサ、視点が合ってなくて飛び出そうなくらいギョロギョロとした目、長く汚れた爪、毛深くて骨ばった身体つき。
地獄の本で見た、餓鬼の様な姿だ。

「ウヒヒィ!アン●ンマン!アン●ンマン!」

そんなおっさんが半笑いでアン●ンマンと連呼しながらフラフラとこちらに近付いてくる。

「うわあああああ!!!!(ヤバい!喰われる!!)」


俺と弟は急いでじいちゃん家に逃げ込んだ。

あまりにも怖かったので、ばあちゃんに今あった事を話すと

ばあちゃん「ああ、あの人ね。隣の棟の人よ。あんまり関わったらあかんよ」

と言っていた。ばあちゃんはそれ以上の事は教えてくれなかった。

それからじいちゃん家に行くとちょこちょこおっさんを見かけて、その度に関わらないようにしていたのだが、ある時ぱったり姿を現さなくなった。

そこから数週間くらい経ったかな、ばあちゃんが同じ団地のおばちゃんと立ち話してた時に聞いてしまった。

おっさんが部屋で死んでたらしい。しかもおっさんには身寄りがなかった為誰にも気付かれず、発見された時にはそれはもう悲惨な状

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