これは、私が塾のA先生から聞いた話だ。

数年前、A先生は友人B、Cと夜中にドライブをしていた時のことだ。
その日は久しぶりに友人と再会したため、いつもより気持ちが高ぶっていた。

昔の話をして盛り上がっていると、ちょうど青木ヶ原樹海の道路に差し掛かった。すると、道路の中央に、赤いドレスを着た、ボサボサの髪の女がいるのが見えた。

驚いたA先生が
「今の見た?」と聞くと、Bが
「俺も見たよ」と言った。

その時は、ただ女の人が道路を歩いていただけだと思い、特に違和感は感じていなかった。

それから数日経ったある日、A先生がニュースを見ていると、ちょうど青木ヶ原樹海についての内容だった。

いつも通りに画面を眺めていると、
「青木ヶ原樹海で若い女性の遺体が発見されました」
という言葉が出てきた。
(まさか…)
と思いながらも、テレビの内容が気になって仕方がなかった。

しかし、次の言葉で先生は凍りついてしまった。
「女性の遺体は赤いドレスを着ていて、髪は長い黒髪です。ドレスには血痕が付いていることが確認されました」

間違いない…
数日前に見たあの女だ…

そう、彼女のドレスが赤かったのは、
白いドレスが血で染まっていたからだったのだ。

今も彼女は青木ヶ原樹海を彷徨い歩いているのだろうか…

皆さん、青木ヶ原樹海の近くで赤いドレスの女の人を見かけたら、気をつけてくださいね…

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