テレビ番組で放送されたものです。

当時、中学三年生(15歳)であった長田博さん(仮名)は、その時、街の本屋にいました。
普段は、人通りが絶えない表の通りが、その日は、奇妙に静まり返っていました。長田さんはこの時、妙な胸騒ぎを覚えたということです。

ふと、一人の少年が、前の道を自転車で通り過ぎて行った。
それは、知っている少年であった。長田さんは、、その後を追いかけて、
「ゆうちゃん?」と声を掛けた。

少年が振り向いた。
それは果たして、この世には居ないはずの、ゆうちゃんであった。

同時に、長田博さんには、七年前の恐怖の体験が甦った。
それは、1979年当時の、埼玉県の某所で起きた出来事であった。

近くに、子供たちがたくさん集まる場所があった。(再現映像では、神社の境内に設定されていました。)
だが、当時八歳の長田博さんは、年上の子供たちの仲間に入れなかった。ところがそうした長田博さんに、一人の少年が声を掛けてくれた。それが、ゆうちゃんであった。

現在27歳の長田博さん本人の話。
「ボクが、小学校2年生の時が、初めだと思います。そこで、みんなで、野球をやっ
ていたんですよ。その野球をやっているメンバーの中の一人が、ゆうちゃんという
方ですね。ゆうちゃんは、小学校の高学年だと、ボクは思ってました。半年ぐらいは
、たぶんいっしょに遊んでいたように思うんです。」

その半年が過ぎて、夏休みになると、ゆうちゃんは毎日、博君の家まで迎えに来るようになっていた。
祖母も、ゆうちゃんを、たいへん気に入っていた。

帰宅する時も、二人は、たいてい一緒であった。
ゆうちゃんの家の前で別れるのが、いつもの二人の日課であった。

その日も、互いに手を振って別れた。
その晩、博君は、強い金縛りにかかった。目を開けると、人が立っていた。消える寸前に振り返ったその顔は、ゆうちゃんであった。何か言いたそうであった。

翌朝、早めに家を出た博君は、途中で、激しい衝突音を聞いた。
急いで、その現場に駆け着けると、自転車のゆうちゃんが、血だらけになって倒れていた。

博君は、おばあちゃんを迎えに、家に戻った。
そして、現場までおばあちゃんを連れていって見ると、そこには何も残されていなかった。事故現場の一切合切が、消え失せていたのである。

しかし、それ以上に博君が驚かされたのは、おばあちゃんから、
「ゆうちゃんって、誰だい?? 』と訊かれ

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