俺が小学生の頃、自宅に新興宗教の勧誘が来た。

1: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/03/25(日) 16:58:56.64 ID:ywTJEt730

最初母がやんわり追い返していたんだけど、三日に一度はうちに来て、母にしつこく入信を勧めてたんだ。

母はあまり気が強いタイプじゃなかったから、なんとなく話を聞いて、ごめんなさいまた今度……という感じで帰ってもらってた。

勧誘があんまりにも頻繁になってきたので、ある日父がちょっと強めに追い返した。

すると勧誘のおばさんは

「そんな強く言ってもだめ、あなたたちがこちらにくるのは運命なんだから」

と言って帰っていった。

父は念の為、と警察に相談し、その日から近所の駐在のおまわりさんが巡回してくれることになった。

そして一週間後に母は失踪。

失踪している間に例の勧誘おばさんがまた来た。

「ほらね。言ったとおりでしょ!あなた達が信心してくれればお母さんは帰ってくるのよ」

その時自宅には俺と姉と弟しか居なかったから怖かった。

おばさんは「今度はお父さんが居る時に来るから」と言って帰っていった。

おばさんが帰った後に姉が急いで父に電話した。

父はすぐ帰る、と言って電話を切った。

俺は泣いてる弟をなだめながら『お母さん早く返ってきてほしいな』と思った。

しかし結局母は帰って来なかった。

姉は学校の先生に連絡をして、今こういう状態なのでしばらく学校を休ませて欲しいと伝え、

それからは駐在のおまわりさん、それから先生が度々自宅に来てくれるようになった。

父は会社でもわりと上の方の役職についていたのだが、決算期と重なってしまって、休むわけにはいかないということだった。

俺は中学生だったので、部活もやっていたのだが、状況が状況なのでホームルームが終わったらすぐ帰ることにしてた。

先生も心配してくれてた。

そしてしばらく俺、弟、姉だけの生活が続いた。時々姉の担任の先生も一緒に食事をしてくれてた。

心強かった。

それから暫くは勧誘のおばさんも来ることが無かったので平和だった。

依然母親の足取りはつかめなかった。

失踪届もけっこう前に出していたが、進展はなかった。

警察のひともちょくちょくやってきて状況を聞かれたけど、母からの連絡もなかったのでいよいよ手詰まりだった。

俺達は、考えたくも無かったが、チラホラと母はも帰ってこない

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