此れは福島県の山の中にある集落での話です。山を下りるには歩いて2時間は歩かないとお店がある場所まで行けないほどの山の中です。
自然に生えてる松茸や山菜はよく盗み取る人達が時期になると彼方此方に車を止め山に入っているのを何度か見かけたことも、祖父が残した土地に生えてるので注意をするのですが後を絶ちません。
でも…自然に生えている物を取る事が腹立たしいのではなくて、知らずに車で上がって暗くなった時が心配になるので止めて欲しいのです。熊も民家の隣を歩く様な集落なのでそれもですが、山道は車が一台通ればすれ違う事が不可能な幅、ガードレールもなく過去に崖に落ちて亡くなった方は何人も居ます。お盆の時期に帰ってくるというのを信じるしかない事が過去にありました。
毎年お盆の時期は混むので早めに行くか遅らす事をしていた私は珍しくお盆時期に行く事になり深夜に車を走らせ東京から福島県に、まだ夜が明けない時間に着いてしまったが、山に入る事にしました。
お盆時期に入った事が無かった私はまさか崖に落ちた人がその場所に立っているとは思いませんでした…まだ暗い山道に所々に人が立っているのは流石に驚きます。
ですが、そんな事は大した事では無かったです。
まだ寝ている祖母を起こさぬ様に静かに離れで暫し仮眠をとる事に
夜が明けた頃に祖母に到着している事を伝える為母屋に行こうとした時、何十とある墓石が全て倒れている光景に一気に目覚め直ぐに祖母に報告、祖母の家の庭からお墓は見渡せるのでさほど時間はかからず祖母を外に連れ出す。そして祖母に墓石が!と言おうとした時、墓石は全て元どおりに…
祖母の話では「土葬だから何があっても不思議じゃね!」「ご先祖様が帰って来て悪戯したんだ〜!」「オメェがお盆に来るなんて珍しいからふざけてやったんだ〜」と…何十とある墓石を倒して立てる悪戯ってなんなんでしょう…
因みに周りには人は居ませんでしたし、その集落にはお墓と真逆の位置にしか墓石を倒して起こせるほどの力がある若い人は居ません。

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