彼の車で深夜に彼が良く行くという山の中へ、2人で夜景を見に行った時の事です。久しぶりのドライブデートなので、お互いに凄くワクワクしていました。山に向かって車で走っていくと、少しずつ道が細くなり、街灯もないので暗くなっていきます。

ここまで来ると車も2台くらいしか走っていませんでした。車の音楽もブチッと消える事が増えたので、音楽が消えてはつけて、消えてはつけてを繰り返していました。勝手に音楽が消える事は無いので、彼が不思議がっていたのを覚えています。

そして、やっと目的地に到着しました。私たちの他にも素敵なカップルが何組か夜景を見に来ていました。彼と山から見える夜景を楽しんだ後、近くに木で出来た展望台のようなものがあったので懐中電灯で照らしながら2人で登りました。

10分ほど夜景を眺めて、下を見ると展望台に登る為に私たちが降りるのを待っていたカップルがいたので降りる事にしました。私が先に降り、続いて彼が降りたのですが、彼の後ろに知らない女の人が立っていました。展望台に登った時は誰もいなかったのに。

懐中電灯で照らしながら、彼に後ろにいる女の人は誰かと聞くと彼の元カノでした。大きく口を開け、顔が白く、そして裸足でした。振り向いて元カノの姿を見た彼の顔は真っ青でした。「お前・・・なんでこんな所にいるんだよ・・・おい、早く車まで戻るぞ!」彼と2人で駐車場へ走り出しました。

元カノが凄い早さで私達の後を追いかけて来ます。
「その女は誰よぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
私も車に乗せてぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
2人で車に乗り込み、慌てた彼がエンジンを入れますが、なかなかエンジンがかからない。
「かからねぇわ・・・くそっ!」
車のミラーに元カノがニタニタと笑いながら、ゆっくり歩いて近付いて来る姿が写っています。
「なんでだよっ・・・!」「走って逃げようよ・・・!誰かに助け呼ぼう!」「いや、もう無理だっ・・・!」その瞬間、車のエンジンがかかり、走り出しました。

そのまま無我夢中で彼は車を走らせ、人気のある明るいサービスエリアに到着しました。駐車場に停めた車の中で私たちは、呼吸を整えていました。
「あぁ、焦ったー。」「なんだったの、あの女の人・・・」「俺の元カノだよ、でもなんで俺たちが昨日夜景を見に行く事知ってたんだ・・?」

その瞬間、車に流れていたラジオのニュースが切り替わり、女の人の声になりました

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