これは、一人暮らしを夢見ていた大学生のお話。

その人は、アパートの一室を借りて念願の一人暮らしが叶った。

一人暮らしの、初日新しい部屋に僕一人だけということもあり好きな事をしていたらいつの間にか深夜になっていた。

「そろそろ寝るかー」

と思ったその時、「ドンドン」という音が上の部屋から聞こえてきた。

微かに声らしきものも聞こえて、「あなたが!ー!」 「うるせー・・・ー」

という、夫婦喧嘩の声が聞こえた。こんな夜遅くに迷惑だなとか思っていると

「ドスン」と大きな音がした。それと同時に上の階も静かになった。

それから、次の日の夜「ズズズズズ」という奇妙な音で目が覚めた。

それは、上の階から聞こえて、ズズズー
「ガタン」家のドアが閉じる音。

それから数分後、ズズズズズズ
と、また聞こえてきた。しかも段々その音は自分のところに近づいているように感じる。


ズズズズズズーと家の前までくると
音は鳴らなくなった。安心したのも束の間、今度は「ガチャガチャ」とドアノブを何度も何度も捻る音が聞こえる。

「ガチャガチャガチャガチャ」
という、音と
「あけろ!あけろ!」
という、声がする。恐怖で気を失い
目が覚めたら音は無く、眩しい日差しがさしていた。

しばらくすると、「ピンポーン」と呼び鈴がなり、出てみると警察が立っていた。

警察から「貴方の上の階の奥さんが今朝、亡くなったのが発見されました。」
「なくなったのは二日前の夜だと思われますが、何か音とか声とかお聞きになりましたら教えてください」

と、言われたので二日前の出来事、夫婦喧嘩の声が聞こえたという話をした。
警察が言うには、犯人は十中八九旦那さんなのだが、奥さんが亡くなったのと同様に
旦那さんも行方不明なのだという

もしかして、昨夜僕の家に来たのは変わり果てた奥さんなのだろうか・・・

そして、奥さんは自分を殺した旦那を探しているのだろうか

それから間も無くして、僕は引っ越しました。事件が起きた場所にいつまでもいたくなかったからです。

それと、また、変わり果てた奥さんが家に来るかもしれないと思ったからです。

通常版で読む