これは4.5年ほど前に私が体験したお話です。あまり恐くありません。勘違いではないかと周りに言われることもありますが本当に体験した話です。

母と2人でニューヨークへ旅行に行きました。ご存知の方もいると思いますがニューヨークはホテル代が高く安く抑えたい私達はとにかく寝ることができれば良いやということで、少しランクを落としたホテルに滞在することに決めました。

ニューヨークに到着したその日チェックインを終え部屋に案内されました。

アパートをホテルに改装したような4階建の建物でとても古いらしくエレベーターは従業員がハンドルを回して手動で動かすレトロな作りで、廊下は人が歩くとギシギシ大きな音で軋みます。廊下で話している人の声は丸聞こえです。

部屋に通されてまず

「うわ、薄暗いな。ちょっと気味悪いな」

と思いました。部屋に入ってすぐ大きな鏡がありベットルームとシャワールームがあるだけの非常に簡素な作りで日当たりもよくありません。

でも、安ホテルなのでシャワーと寝床があれば良いと思い、荷物を置いて早々にニューヨークの街へ繰り出し母と一緒に夜まで街を楽しみました。

部屋に帰り私はテレビニュースを見ながらベットの上で次の日の計画を練っていました。
夜の0時頃だったと思います。母も
起きていたはずですが途中で寝てしまったようで隣で寝静まっていました。

その時私達の部屋がノックされました。


コンコンコンコン


私は一瞬隣の部屋かと思いましたが2度ほどコンコンコンコンと
ノックされどうやら私達の部屋だと気付きました。

「ちょっと待って下さいー(日本語)」

と外の来訪者恐らく従業員に声をかけベットから立ち上がろうとしたところ
ふと不思議に思いました。

廊下と部屋を繋ぐドアは床からほんの少し隙間が空いていて人が立っていれば影が見えるのですが、影が見えない。ノックしておいて全く名乗らない。

不審に思いました。

少しドアを開けるのを躊躇いベットの上からドアを見つめていました。


シーン、、、


ノックされたのは間違ありません。
そしてもう一つ気付いたことがありました。

全く廊下が軋んでない

人が歩けばギシギシと廊下が必ず鳴っていたのです。私も街から帰った後はうるさくないようにと思い静かに歩こうとしましたがやはり軋んでしまいました。

少し血の気が引き母親を起こしたのですが起きません。
外に出て確かめようと

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