これは私の友達のRが体験した話です。
Rは高校生のとき交通量の多い横断歩道で犬が跳ねられるところを目の前で見て急いでその犬を近くの動物病院に連れて行ったそうです。
そのときRはその犬にどうにか助かって欲しくて犬に何度も謝りながらバイトでお給料を貰ったばかりということも考えずに必死に走ったそうです。
一命を取り留めたその犬を家で飼うことになったそうです。
Rはその犬にキズナと名付けて「キーちゃん」と呼んで可愛がっていました。
ですがキーちゃんは不思議な力がありました。
ある日キーちゃんが朝から夕方ぐらいまでずっと家のドアに向かって吠えていることがあり、なんとなく怖くて鍵を厳重に閉めていたそうです。
するとその次の日の朝、隣の家に空き巣が入り、その空き巣犯はすぐに捕まったのですがRの家にも入ろうとしたけど厳重に鍵が閉めてあったから入れなかったらしいのです。
Rはキーちゃんが自分に恩返しをしてくれていると思いとても嬉しくてもっと可愛がってあげたらしいです。
キーちゃんはすごくRに懐いていたため高校を卒業して就職し、マンションで一人暮らしを始めるときもキーちゃんを連れて行ったそうです。
そのマンションでの出来事です。
キーちゃんが何も無いところに吠えたり、何かを追いかけ回したりするようになったそうです。
Rはキーちゃんがそういう行動をしているのだからそのマンションには何かがあるだろうと思ったけど経済的な面でどうしようもなかったらしいです。
そんなある日、Rは出張に行くことになり、キーちゃんを実家に預けて行ったそうです。
そしてその出張が終わりマンションに帰り着いたのは夜の10時を回っていたので明日実家にキーちゃんを引き取りに行こうと思ってその日はそのままマンションで寝たらしいです。
その夜、部屋の中を誰かが歩き回っているような音がしてRは布団の中で震えていたそうです。
するといきなり布団の上にその誰かが倒れこんできてそのまま金縛りにあったかのように動けないでいたそうです。
その状態で30分くらいしたとき、いきなりキーちゃんの鳴き声が聞こえてその瞬間金縛りから解けたそうです。
おそるおそる瞑っていた目を開き布団から顔を出すと目を見開きニタリと笑っている女の人が至近距離でRを見つめていたそうです。
Rが悲鳴をあげようとしたときです。
手に覚えのある感覚がしだしたのです。
それはキーちゃんがRの手を舐めているのだとすぐにわかり

通常版で読む