私は部活の決まりで4年間、寮に入っていました。2年生の途中で新しい寮に変わり、今は取り壊されてしまいましたが、これは私が1年生の夏休みにその寮で体験した話しです。

部屋は3人部屋で二段ベッドが2つあり、私はベッドの上を使っていました。夏休みということもあり私は合宿中だったので寮にいましたが、他の2人は帰省していてその時は1人で部屋を使っていました。しかも足を怪我した私はベッドの上に上がれず、許可をもらい下のベッドを使わせてもらっていました。

夜、寝ているとなんだか息苦しく感じた私は目を覚ましました。目が覚めた時には金縛りにあっていて、小さい手に首を絞められていました。その時は怖いよりも眠いが勝っていて次に目が覚めた時は朝になっていました。

しかしこの日も私は金縛りにあいました。小さな手に首を絞められ、こちらは姿が見えないのですが、水色のパジャマのような服を着た髪の長い女の人が私の上にのって顔をじっと見ているのは分かりました。普通なら怖くて仕方ないと思うのですが、厳しい部活に疲れきっていた私は、眠いとしか思いませんでした。どのくらいたったか分かりませんがしばらくすると体がふっと軽くなり、金縛りもとけていました。

ですが次の日も金縛りにあったのです。全身に重みを感じ、気が付くとなぜか天井から自分を見ていました。すると、昨日みた女の人が私の頭を引っ張ってベッドから落とそうとしているのです。パッと目が覚めると私は頭から落ちていて、足だけがベッドに残っていました。
さすがに怖くなった私は痛い足を引きずって友達の部屋に逃げました。

それから私は下のベッドを使うことはありませんでした。


そこのベッドを使っていた1つ上の先輩にもこの体験を話すことはできませんでしたが、その部屋を出るまでに何度かその先輩に夜中に起こされ、今小さい手に首絞められたと言われていました。


この寮はもともと病院の跡地で心霊現象は少なくありません。今は取り壊されてしまいましたが、私が体験した出来事は何か病院に関係していたのでしょうか。そしてあの小さい手はなんだったのでしょうか。

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