僕は毎朝ランニングをしています
その日は、霧がかっていましたが
問題ないと思い普通に走ってました
20分くらい走ったでしょうか
遠くの方からヒールのような音がコツコツコツと聞こえてきました。
霧のせいで顔は見えませんでした。
もう帰ろうと思い来た道を戻る途中その女の人とすれ違いました。
その時にその人の格好をみてみたら髪の毛で顔は隠れて見えなかったのですが25歳前後の女性でジーパンにスニーカーと言う普通の格好でした。
帰り道の途中、ランニング中の女性に会いその時おかしな事に気づきました。
(足音がしない。)
そうなんです。普通スニーカーやランニングシューズを履いて走ってもヒールのようなコツコツコツという音はしないはずです。
なのにあのスニーカーを履いた女性(ここからは、スニーカー女性と略させて頂きます。)は、スニーカーなのに確かにあの人からヒールのような音がしました。

おかしいなと思いながらなにかの聞き間違いと思いスルーしました
そして2週間後
前と同じように霧がかっていました。
その時は何の躊躇いも無かったので普通に走りました
そしてスニーカー女性と出会った場所まで来た時また前と同じように
【コツコツコツ…】
ヒールの音が聞こえてきたのです。
今度は帰らずにスニーカー女性が通り過ぎるのを待とうと思いその場に僕は立っていました。
するとずっと待っていても足音はするのですが、影が近づいて来る様子はありません。(その場で足踏みをしているかのよう)
違う。あれは人じゃない。
人以外の別の【ナニカ】だ。
僕はこの時思いました。
スニーカー女性さんに会うときは条件がある。
①同じ道
②霧がかっている
前も同じだったのでこの二つは、絶対に関係していると僕は思いました
そして僕は意を決してその人の方へ走り出しました。
するとさっきとは打って変わってその人の影が近くなったのです。
そしてすれ違ったと思ったその時
【ねぇ…私のヒールは?】
とても悲しげな声に聞こえました。
僕はその瞬間身体が動かなくなり足が石のように固まってしまいました。
金縛りです。
身体中に変な汗が流れました。
するとスニーカー女性は、追い打ちをかけるかのようにまた一言
【トラックに持ってかれちゃった。大事にしてたのに】
と同時に腕を強く掴まれました。
グググググと物凄い力で引っ張られました
できる限り力をだして腕を振りました
するとその人の影は無く、霧は晴

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