これは私が実際に体験した出来事なのですが、あんまり怖くはないのでさらっと読んでいただいて構いません。

私が前に住んでいたマンションでの出来事です。
私には全くと言っていいほど霊感はなく、実際に幽霊をみたりしたことはありません。

仕事が遅くまで残業することが多く、帰るのは夜中がほとんどです。
徒歩通勤の私は帰り道の間、特にすることもないのでイヤホンをして音楽を聴いています。

そんなある日、いつものように帰り道を歩いていると後ろの方から変な音が聞こえるようになりました。
ぱちぱち、というかペタペタ、というか。
そんな音がリズムよく後ろの方から聞こえてくるのです。
最初はカバンの金具の音か、イヤホンの紐が擦れる音だと思っていたのですが、私が立ち止まって振り返っても聞こえるようなのです。

本当に音だけなので、たいして気には止めず、変だな〜と思って過ごしていました。

そんな音が聞こえ始めて1ヵ月くらいたった日のことだと思います。
休日だった私は友達と出かけるためにマンションのドアを開けました。

すると、マンションの廊下を先日から聞こえるあのペタペタという音がいったりきたりしているのです。
右へ行ったり左へ行ったり。
当たりは日中でサンサンと晴れています。そんな中で目の前で変な事が起こっているので、思わずしばらく扉を開けたまま固まってしいました。
しばらくして、もしやこれは人の足音で、しかも幽霊的なもので、私についてきてマンションに入ろうとしているのでは?と考え始めました。

全く霊感のない私でもそれはまずい!と考えたものの、何の力も知識のない私は、あろうことかマンションから食塩を持ち出し、玄関にまきました。
なぜこの時に盛り塩ではなく、まいてしまったのかは、おそらく混乱していてそこまで考えが回らなかったからだと思いますが、食塩を撒き散らした私はこれで大丈夫!となぞの自信を持ってでかけました。
それ以降、不思議な足音を聞いたことはありません。

食塩が効果を発揮したのかどうかはわかりませんが、あれがもし夜中だったらと思うと、食塩をまくことさえうまく動けたかどうか自信がありません。

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