私はあるアパートに住んでいました。
父の単身赴任の関係でそのアパートに1年だけ住むことになったのです。
ある夏の夜、
私は普段通り布団に入り眠りにつきました。
珍しく目が覚め、目の前を見るとトイレの前に白い服を着た髪の毛が膝下ぐらいまである女の人が立っていました。
私は恐怖でとっさにトイレがある逆の方向に寝返りをうち、目をぎゅっとつむりました。
幸い、金縛りなどはなく至って普通に過ごしていました。
長期休みだったので、父も県外から遊びに来ました。
怖いテレビなどをみて、父も便乗し自分の体験談を話し始めました。
「いやー、前の家の時、仕事から帰ってたら前から人間の動きをしてない女がきたんだ。ほんとに怖かったぞー、怖いって分かってるのに俺その女のいる方向に進んだんだ。」
私は、「女」と聞いて少しどきっとしました。
「お父さん、私も最近女の人見たんだ」
「え!それって、、よし、一緒に答えよう、服の色は?せーのっ」
『白!!!!!』
「え?えっと、髪の毛の長さは?せーのっ」
『膝下!!!!!』
私は生きた心地がしませんでした。
全身の血がどこかに行ってしまった感じでした。
父もきっと同じだったと思います。
今はそのアパートを出てゆっくり暮らしています。
さすがについてきてはいないでしょう。
これは私が小6の頃のお話です。