幼い頃から、悪夢をみるとか、声が聞こえたり、気配を感じたり、影を見たり…母は「全部気のせい!知らん顔しなさい。忘れなさい」と言い聞かせてくれていました。(私がめっちゃ怖がりだから)
先に駄文ですいません。
20年ぐらい前の話です。保健所から子犬をもらってきました。
気が強く活発なミックス犬で(以降はちび)
散歩は朝夕晩トータル4時間は散歩をしていました。
私は十代の後半でダイエットに燃えていたので、散歩は面倒でもよく行っていました。
ちびが2才になるころから、よく立ち止まって警戒からか逆毛を立てて一点を見つめることが増えました。
散歩コースの中で、決まって同じところです。
公園の公衆トイレの裏。
公園の奥のグラウンドの街灯下。
畑の広がる中に小さな墓地があって、その横の細道を見つめます。
私も空気が違う感じがしていたので、ちびを無理やり引っ張って足早に通り過ぎるようにしていました。
畑の細道は通らないようにしていました。
私の住む住宅街を少し大きな水路を挟んで畑が広がり、その向こうに農家の家が建ち並びます。
ある冬の日、夜の19時ごろ、ちびの散歩に出ました。クリスマスが近く、畑の向こうに素敵なライトアップされた家が見えて、ついでに見に行こうと思いました。
畑道で街灯が多く広めの道を通ると少し遠回りなので、水路沿いを歩いてライトアップの家まで一直線の道を探していたら、墓地の細道の前でした。
ちびが止まり逆毛を立てていたのですが、いつも感じる違和感はなく、ライトアップに気持ちがいってたので、ちびに「大丈夫やて、何もないやん」って声を掛けて細道を通ることにしました。
街灯はなく、左手に墓地があり、右手は畑で、私とちびだけです。
墓地を過ぎたとき、空気が変わったことに気が付き、ちびを見ると、ちびは後ろを振り返って逆毛を立てていました。
「ちび、大丈夫やし早くライトアップ見に行こう」と声を掛けて引っ張り歩き出すと
ガサガサ…ガサガサ…ガサガサ…と引きずるような足音がしました。
ちびは後ろを見たままうなり声をあげたので、立ち止まって、自分に言い聞かすために「もうっ何もないのに吠えんといて」とちょっと怒って引っ張り早足で歩き出しました。
私とちびが歩き出すと、
ガサガサ…ガサガサ…ガサガサ…と音は次第に大きくはっきりと聞こえてしました。
今振り返ったらあかん。
ちびは相変わらず私の少し後ろで音を