あれは私が中学2年生の時の話です。
12月の初め。
私の通っていた学校の廊下のまどは全部ガラス張りで、
満月の日には満月の光が差し込みます。
私は演劇部に所属していました。
演劇部の部室は四階の左側にあって、隣は吹奏楽部の部室があります。
階段を挟んで右側は二年生の教室があります。
その日は大会が間近でちょっと帰りが遅くなりました。
「お疲れ様!Aちゃん上手く台詞言えてたよ!」
「ありがとございます先輩!」
その頃の私は、大会が間近で忙しくよく教室に忘れる事が多くなりました。
その日も忘れ物をしてしまって、教室に取りに行きました。2−Aは端っこにあります。
廊下の電気はつておらず、満月の光に頼って教室に行きました。
教室の電気を付けて、自分の席までいって
「宿題っと……ん?」
その時、確かに私の後ろに誰かがいる気配がしました。
急いで後ろを振り向くと、
「っ…。誰も居ない?。」
私は気にしないまま、電気を消して教室から出ました。
教室から出ると冬の寒さを感じました。
「寒いよ…早く帰って台詞の練習しよ…。」
私が階段を降りようとした時。
『まって…』
っと後ろから女の人の声がしました。
私はまた演劇部の先輩だと思って、振り向くと…
「先輩どうかしたん…え?」
後ろに立っていたのは先輩ではなく、黒い服を着た女の人がいました。
暗くて顔が見えなくて誰だか判断出来なかった。
『まって…』
っとまた言った。
脳天気の私は、今日の吹奏楽部の顧問の先生は音楽の先生でもあって確か黒いドレスみたいな服を来ていたのを思い出した。
私はてっきり音楽の先生だと思い
「どうしたんですか?K先生?」っと声をかけた…
その時、満月の光がさしてK先生?が…
「っひ…!!」
K先生だと思って声をかけた人が…
K先生じゃなかった…
よく見ると…足がなく、黒いドレスと思っていた服は長い髪の毛だった。
顔は長い髪で見えなくて…でも見えた…
その長い髪の奥にニッコリと笑みを見せるのを…
「っ…!」
私の心臓の鼓動が早く打つのが分かった。
その黒い服の女とは近くて、走りたいのに金縛りになった様に動けなかった。
大声を出したいのに、声が掠れた。
『まって…よ…』
どんどんその女が近づい