未だに謎な夏の日の出来事です。

あまり話を書くのが上手では無いため怖くないかもしれません。



私が中学生に上がって始めての夏。その日は雲一つなく照りつける日差しが肌を焼いて、蝉ですら何処か力無く鳴くぐらい暑い日でした。
実家に置いてある日捲りカレンダーを見ると、夏休みも中盤に差し掛かった8/17でした。これはハッキリと覚えています。
午前中は何かする気も起きず、宿題にも手をつけないまま昼食の冷やし中華を食べ終えてもだらだらと畳の部屋で寝転がっていると、友人が家を訪ねてきました。
『たたかろちゃん、山に行こう』
私の家は山と田んぼに囲まれています。そして私は小学生の頃からよく山に遊びに行き、その山頂にある石造りの祠?のようなものを掃除したり、その周辺で遊ぶことがすきでした。そこの山にはトンネルがあり、トンネルが出来る前は祠の近くに道が敷かれていたらしく、今は使われていない凸凹の道が続いています。少し荒れているとは言え、獣道でも無いので子供の足でも簡単に上り下りが出来る、冒険心溢れる小中学生にはたまらない遊びスポットでした(といっても近くに子供が少なかったのでなかなか人には出くわさなかったが)。
特にすることもなかった私は、仕事が休みで居間でお昼寝をしていた母に山に遊びに行くことを伝え、すぐに家を飛び出しました。

その子と私は徒歩で山を登り、久しぶりに訪れたため荒れていた祠を簡単に掃除し手を合わせ、鬼ごっこや木登りなどをして遊びました。
そして日も傾きヒグラシが鳴き始めたころ、

分に遊んだ私達は山を降りることにしました。
『楽しかったね』
私がそう声をかけると、そうだね、と弾んだ声でその子は答えました。

山路を降りている途中、見慣れない道に気が付きました。小さな獣道で、入り口には役割を果たしていない街灯が一つ。まだ夕方で日もあり、家までは30分もかからずに帰れると考えて、好奇心を擽られた私達は道に入って行きました。木と竹が生い茂り民家もなく、結局行き着いたのは大きな苔むした岩が一つ転がる閑散とした空間でした。ガッカリしつつも帰ろう、と元来た道に足を向けた瞬間。本当に一瞬だった気がします。それまで茜色に染まっていた空が突然夜になったのです。
驚いて私は悲鳴を上げました。当然怖かったです。街灯一つなく明かりは月と星の僅かな光だけ。目が慣れても元の道も分からずにその空間から動くことはできませんでした。
仕方なく岩

通常版で読む