まだAさんが新入社員だった頃、工場勤務だったAさんがその仕事場に向かう工場棟の長い廊下を進んでいた時のこと、

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何か誰かの声がしました。内容もよく判らず、ダクトでも通ってどこかの声でも拾っているのか?程度の考えで無視したAさん。それから数日後、

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朝、廊下を通っていると、また同じ場所で声が聞こえます。何か話会う男女の話し合うような声でしたが、Aさんは事務の人の声か、空調からの声を拾っているのだろうと気にしませんでした。
それから数回、同じ場所、同じような時間で話声を聞きましたが、とりあえず気にも留めなくなったAさんの耳に声は聞こえなくなり、そんな事も忘れて一月経過した朝、

「    」 
「    」

またしても声が聞こえます。ああ、そう言えばそんな声が聞こえていたなぁ、とか思い出すAさんの耳に、

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[    ■■■■はだめだよ]

あまり聞いた事無い男の声が上からしました。声自身ははっきりとでは無かったのですが、■■■■が先輩の名前だったような気がしたぐらいで、Aさんは特に気にもせず、どこかで上司が話し合ってるんかな?程度で今回も済ませようとしました。

そして

午後、Aさんの先輩が機械で指を潰しました。

そんな事があってから半年ぐらいが過ぎた頃、また、その廊下で・・・

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[    ■■■■はだめだよ]

そんな男の声が聞こえ、■■■■の名前の先輩が指に金具を突き刺しました。さすがにAさんも気のせいだと自分に言い聞かせ難くなったので、朝の時間帯にそこを通るようにしなくなり・・・

1年ぐらいが経過した時、たまたま早出で工場の例の廊下を通り過ぎた時、

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また話声が聞こえました。ゲッとなり掛けたAさんが慌ててその場を抜けようとしたものの、会話だけは耳に聞こえ、

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今度は男の声ではなく、女の声が主体での会話で、

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[    ■■■■はダメね]

最後にそう締めくくられて会話は聞こえなくなったそうです。

そして、

その日の午後、その廊下が面していた作業場の■■■■班長が入院していた病院で急にお亡くなりになったそうです。

Aさんそれ以来完全にその時間帯に近づく事はなくなり、現在では工場も閉鎖移転でマンションになって、Aさんはそんな事があったんだって

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