私が中学生の時の話です。
その当時、携帯ゲームはゲームボーイが主流でした。
通信対戦などで友達と遊べるため、学校終わりには誰かの家に集まりゲームボーイをするというのが日課になっていました。
たまに誰の家にも入れず、仕方なく外で遊ばなくてはいけない時は、近くの神社でゲームボーイという日もありました。
いつものメンバーにその神社のほぼ向かいに住んでいる野崎というやつがいました。
この野崎は勉強はできないがスポーツはできるというタイプでゲームも上手く、クラスでもとても人気があるタイプでした。
野崎の親からしたら成績も悪く、宿題もしない、ご近所さんからも見える神社でゲームをしてる恥ずかしい息子という感覚があったのでしょう。
母親からはいつもキツめに小言を言われていた印象でした。
よく言われてたのが「そんなゲームばっかりやって、目悪くなったらどうすんの?」というど定番の文句でした。
野崎はいつも「悪くなってもメガネかければいいんだよ!」って言い返していました。
そんなある日、私たちのグループはまた誰の家にも収まらず、いつもの神社でゲームをしていました。
その日は珍しく野崎の母親が神社まで来て、なにやらお参りをしていました。
どうやら野崎の弟が受験らしく、そのお参りとのことでした。
母親は去り際にいつものように野崎に小言を言いました。
「あんたは勉強もしないでゲームばっかでどうしようもない!この家は弟に任せるわ!」
「受験で大事な時期なんだから、タク(弟)の前でゲームやったり誘惑すんじゃないよ!」
「あんたの目が悪くなる代わりに合格できるってもんじゃないんだからね!」
など、受験前でピリピリしているのかいきなりイラつきを露わにしてきます。
野崎も黙っていれば良いのに、
「息子の目が悪くなりませんようにってお願いもして行け!母親だろ!」など余計なことを言いました。
野崎の母はくるっと引き返し、
「うちの長男はバカ息子です、こいつの目はどうなっても良いので、弟を合格させてください」と野崎に聞こえるように嫌みたらしく言いました。
野崎も「聞いたか!おコンコンさま!(稲荷神社なので)ってことでよろしく!」と大声で応えました。
それから数日後、野崎が学校を休みました。先生に聞いたところ「昨日公園で怪我をして大事をとってお休みと聞いてる」とのことです。それから1週間程、休みが続いたので野崎の家に電話をしました