これは自分が小学生6年の時の話です。
夏休みにおばあちゃんの家に一週間ほど泊まる事になりました。
おばあちゃんの家といっても田舎に帰省という感じではなく都会の賃貸物件だったのでそういう事が起こるとは全く思っていませんでした。
自分の家は離婚していて母親とおばあちゃんと3人で一週間を過ごしたのですが、その日は母親もおばあちゃんも仕事で自分1人留守番する事になりました。
1人になりしばらくすると
「ピンポーン」
ん?忘れ物でもしてどちらか帰ってきたのかな?と思い覗き穴から覗くと知らないメガネを掛けてスーツを着た人が立っており、
「ピンポーン」「ピンポーン」「ドン!ドン!ドン!」
え?何?もしかしてヤバい人か?と思いすぐ母親に電話を掛け、変な人が来たと伝えると「出たらあかんで!チェーンも掛けてじっとしとき!」と言われ、その通りにして待つ事にしました。
するとまた1時間ほど経つと「ピンポーン」「ピンポーン」
またか!と思いもう1度窓を覗くと
ん?誰もいない…
次はピンポンダッシュか!と思い段々腹が立ってきて次に来たら警察を呼ぼうと思いまた1人で母親が帰ってくるのを待っていました。
それからまた1時間くらい後に
「ピンポーン」「ピンポーン」「ドン!ドン!ドン!」
ダッシュで覗き穴を覗くと、あれ?やっぱり誰もいない。思い切ってドアを開けてあたりを見回しましたが誰もいません。
は?どういう事?
部屋はそんなに広い家ではなく2Kでベッドで待っていたのですがそこから玄関までダッシュで行けば本当に5秒くらい。
廊下は一本で10件ほどの部屋がならんでいる作りなのでインターホンを押してその時間に姿形が見えなくなるほど遠くへ行くのは考えられません。
そう思うとさっきとは別の恐怖に変わってきました。
そしてまた…
「ピンポーン」「ピンポーン」「パサッ」
え?今度はゴキブリでも出たのか?
すると部屋の異変に気付きました。
おばあちゃんの家が都会だったので毎日のようにポケットティッシュを持って帰ってきてそれを大量にカゴに入れて溜めてあるのですがどうやらそこから先程の音が。
「パサパサパサッ」
うわ!絶対ゴキブリや!と思っていましたがそのポケットティッシュがフワッと浮いたのが見えました。
え?「パサッ」
「パサパサパサパサパサッ!!」