で自分の部屋を背にし玄関のドアが勝手に閉まるのを待ちながら下を向いてロングブーツを脱いでいると、

キーィ

顔を上げると閉まりかけた玄関のドアに手をかけ先ほどの男が目の前に立っています。

片足を玄関に入れてきたところで、男が私に向かって

「シー」

と口の前に人差し指を立てて言ってきました。

その瞬間、また思考と情景がスローモーション。

(シーってやってきたってことはこの時点で凶器は持っていない。でも家の中に入られれば包丁がある。刺されて殺される。
とりあえず家の中に入られるのだけはだめだ!!)

と同時に、

私「シーじゃねーし!!!!!」

ドン!

男を両手で突き飛ばし、私も一緒に踊り場に出て玄関のドアをあわてて閉めました。

男は後ろの壁にぶつかりよろけています。

でも、また襲いかかるように私に向かってきたので、もう一度両手で突き飛ばします。

(とりあえず声を出そう。マンションの住人が気づくはず!)

私「うぉおおおおおーーーーーーーーぎやあああああぁーーーーぉおおおおーー」

正直人間の声とは思えないような声でした。笑

思いっきり大きな声を出そうとしてるけど喉が開かない感じで、声が声にならないような本当に聞いたことのない自分の声でしたが、必死に叫び続けました。

その間にも男は向かってきます。

持っていたハンドバックで男を殴ると取っ手を掴まれました。

(やばい!!バック取られたら中に入ってるお年玉も取られる!!)

一瞬でお年玉をとられたくないという感情が湧きあがり、必死に取っ手の引っ張り合いです。

叫び続けながら引っ張りあっていると、男があと一歩下がれば階段から落ちるところまで追いやってました。

すると、男は観念しそのままバックから手を放すとマンションから走って出て行ったので私もすぐさま自分の部屋に入り、玄関で腰を抜かしました。

とりあえず泣きながら母親に電話すると、「実家じゃなくて警察に電話しなさい!!」と怒られすぐに警察へ通報。

ほどなくして警察の人が家にやってきて事情を聞かれ、指紋やら雪道の足跡やらを取っていきそのまま交番で朝まで話をする羽目になりました。

その時警察から言われたのは、

私が通報する10分くらい前に1ブロック先のところでおばさんが黒ずくめの男にひったくりされたと通報があったそうです。でも、その男はひったくりに失敗して歩いていると目の前に私が現れた為

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