33歳……大厄だという事を すっかり忘れていました。


誕生日の前の日 仕事場の同僚や後輩達と食事をしていました。

食事を済ませた後に 後輩がどうしても カラオケ

に行きたいと言い張り 仕方無く私達も行くこと

になりました。

食事を終えたのが 21時頃だったので カラオケ

に2~3時間付き合っても いいかな?ぐらいの

軽い気持ちでした。

カラオケ屋に入り 2時間が過ぎたぐらいの時に

突然 HAPPYbirthdayの曲が流れ 後輩がケーキを

持ってドアから入って来ました。

後輩(A)「 紫雲さぁん お誕生日おめでとうございま~す !! 」

一同 「 おめでとう‼ 」

私 「 ありがとう。 」

後輩(B)「 さぁ~どんどん歌いましょう!! 」

それから30分が過ぎようとしていた所で 歌のレ

パートリーが無くなって来た 後輩(A)が「 そろ

そろ帰りましょうか?」と言い私達は帰る事にな

りました。

アルコールは飲まないという事で 各々 自分の車

で来ていたので 暫く外でお喋りをしてすんなり

帰る事が出来ました。


そして 思い出した。

今日( 時間が午前0時になったので )は誕生日。33歳の……!!

車を運転しながら 時計を見ると 午前0時18分。

近道をしようと 道を思い出そうとしていると 時

速50Kmで走行していた車の後ろの左側の窓を

コンコンと叩かれました。

このまま 裏道を走っていては ダメだと 思い立

ち 国道へ出ようと ハンドルを切ると 口惜しい

とでもいう感じだったのか?

車の屋根を思いっきりダンッダンッと 叩かれました。

成るべく 考えない様にしようと思えば思うほど

時間が気になり 交差点で信号につかまった時に

チラチラと目の端で 時間を見ていました。

裏道を走っていた為に 随分 道を戻って国道へ出

ていたので 時刻は 0時39分になっていました。

私の家まで どんなに急いでも 信号につかまれば50分は 掛かってしまう…。

何処かに車を止めて回避する事も考えました

が……何をどうしたって 回避は不可能に近い状

態。私だけなら 何があっても構わない。

24時間営業のスーパーマーケットの端の方に車

を止めようとも考えた でも 何があるかは私にも

分からない。分からないからこそ 車を止める訳

にはいかなかった。

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