中学の半ばで突然父が蒸発して、借金だけが残るとかいう漫画みたいなことになった。
エアコン・風呂なし6畳一間のアパートに引っ越して、学校は夜間学校に変えて母とともに朝早くから働いた。私たちが引っ越したアパートの中に4歳を歩きたての幼児とともに一日中放置してる家があった。
ある日、その家の親が何日も帰ってないことに気が付いた母が、とうとう二人を家に上げてしまいました。最初は居つくと困るので急いで家に帰そうと思ったけど、自分たちがここにいるとまずいと察する二人が不憫になった。大家さんと相談して、親御さんが帰ってくるまでうちで預かることにした。でも、親御さんは帰ってこないどころか、二人にそこそこの生命保険を残して旅行先でと飛び降りていた。あの家庭環境で???と警察も謎だらけだったけど、関わりたくない周囲の無言の圧力あってそのまま家族になった。さらに、私たち親子の行動に心打たれた人が私たちの借金まできれいにしてくれた。
信じられないまま以前より裕福になった。


ほどなくして保育園で4歳の方が不思議な絵を描いてきた。
母と私、4歳、よちよち歩きの子、どす黒いいびつな影・・・
驚いた私が聞く前に4歳が言った。

「いい子なの。いじわるなパパとママの代わりに優しいママとお姉ちゃんも、お金もくれるって約束したの」

そういう4歳の横顔は無邪気で、本当に愛らしいものだった。

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