これは、僕が中学の時の話です。
その日は、家族(僕、父、母、弟、おじさん)でドライブをしていた。その帰り道の夜、運転をしていたおじさんが、
「おい、誰か立ってんだけど」
と、急に前を指さして、言った。
僕は、その指差す方向を見た。
確かにいる。
父は、
「こんな道に人がたってるなんて、おかしいな」
といい、乗せてやろうと言い出した。
それには母も同意した。そして、その人の方に近づき、やっと顔がみえた。女の人だった。
しかし、おじさんはそのままスピードを急にあげ、その人をスルーしてしまった。
流石にスピードが速いので、寝ていた弟もおきてしまった。
「何やってんだ馬鹿!!危ねぇだろ!!」
と父
「今の人、スルーしちゃったけど?」
と母。
するとおじさんは、真っ青になって
「俺は悪くない……」
と、ブツブツいいながら、結局僕達は帰った。
そして、その事があって3日後、おじさんは交通事故でなくなった。
車がスリップしたのだという。僕はその時、あのドライブの時のことを思い出した。
何故あの時、おじさんの顔は真っ青だったのだろう。
あの立っていた女の人は?
未だに、知らないままである。