大学の同級生の女の子から聞いた話。

その子は「見える」子らしく、一緒に呑んだ時にいくつかその子が体験した不思議な話を聞かせてもらったことがある。

そのうちの1つ。

彼女の家の近くでひき逃げがあった。

事故が起きたのは夜中で、事故にあった人のことは詳しくはわからないというが、夜中だったこともあり、目撃者も、すぐに気がついて助けを呼ぶ人もおらず、残念ながら被害者は亡くなってしまったそうだ。

事故が起きた時、彼女は家に居て、「キキィー!」「ドンッ!」という音を聞いたという。まさかひき逃げだとは思わなかったと話していた。
ひき逃げがあったことは後日、事故現場の看板を見て知ったそうだ。

さて、その一週間後。

事故があったのと同じ曜日の夜中。

彼女が布団でうとうとしていると、家の近くで、「キキィー!」「ドンッ!」という音が聞こえた。

まさかまたひき逃げか⁉︎
そう思い、すぐに布団から飛び起き、部屋の窓を開けて確認してみたが、家の周辺で事故が起きた様子もなく、とても静かだった。気のせいには思えない音だったそうだが。

次の日に起きてから親にも聞いてみたが、そんな大きな音は聞いていないし、事故があったという話も聞いていないとのことだった。

あの音はなんだったのか。

それ以来、彼女の家の近くでは時々「キキィー!」「ドン!」という音が聞こえるという。

もしや事故にあって亡くなった人が助けを求めているのか。それとも苦しくて何度も死にたがっているのか。

もっとも彼女は、「最近よく聞こえるんだよー」と笑って話していたのでたいして気にしていないようだったが。

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