私の父の体験談です。
父が働き始めた頃、高校時代の友達から連絡があり、相談があるから一緒に飲みたいと連絡があった。
当日になって友達と会い、屋台で飲むことになった。
相談の内容を聞くと、株で失敗し多額の借金を背負ってしまいどうしようもないということだった。
父にも立て替えるようなお金があるわけでもなかったため、どうする事も出来なかったが、できる限り励ましの言葉をかけることしかできなかったそうだ。
飲み終える頃には、友達は少し前向きになったようで、『まだ若いんだからやり直せるよな、もうちょっと頑張ってみるわ』と言った。
それを聞いて父も安心したという。
帰り道は逆方向だったのでその場で別れたと言う。
父は別れた後、一度振り返ったがそこにはもう友達の姿はなかったらしい。父はここで全てを悟ったらしい。
実は、この屋台は地元で有名な渦潮の観光地であり、また自殺の名所である橋の近くだったのである。
それ以降、その友達から連絡はなく、一切姿も見ていないと言うことらしい。