高校三年の夏、幼い頃から夢を描いていたゲームクリエイターになるべく僕は都内の専門学校へと進路を決めた。

両親や兄妹と別れ、学生寮に入居をすることになった際、母が自宅で飼っていたペットのオウムを連れてくように勧めてくれた。
高校入学の記念に買ってもらったオウム。
自分たちの会話を復唱したり、テレビの音声を真似したりと可愛らしい姿に癒されることがしばしば。
僕は連れていくことにした。

進学を終え寮生活に慣れてきた頃、ますますオウムを好きになる出来事が起きた。

普段は行ってきますやただいまなど、短い挨拶程度の言葉を復唱してくれなかったオウムがついに復唱してくれた。

ある日僕が帰宅し、「ただいま〜!」といつもの調子で言うと、なんとオウムが「おかえりなさい」と返してくれたのだ。
なんと!その時は本当に可愛らしくてたまらなかった。

その出来事を機に、オウムが話す言葉が増えていった。
「お腹空いたぁ」
「テレビでも見よっかなぁ」
「まだ早い」
本当にいろんな言葉を復唱してくれるオウムがとても愛しい。

たまにこんなことも鳴く。
「おいお前、これ以上しゃべるなよ」

おいおい我がペット、僕が刑事ドラマが好きだからって犯人の様な言葉を復唱するなよ笑笑

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