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短編
大きな川に架かった橋
匿名
短編

大きな川に架かった橋

匿名
2017年3月5日
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ある日、そんな陽気な父と夜中にドライブする機会があった。用事で帰りが遅くなり、時刻はすでに午前1時を過ぎていた。

県道を時速90kmで飛ばす車の中で、特に会話もなくラジオを聴いていたら、父が突然口を開いた。

「見ててみ、今から女が飛び降りるから」

父の言葉についていけず、私が「は?」と思っていると、家の近くにある、それなりに大きな川に架かった橋に車が差し掛かった。

進行方向左手の歩道に人影が見える。今は距離が遠くてよく分からないが、車はどんどん人影に近づいていく。

肩にあたるぐらいの髪の長さで、茶色いスカートを穿いた女の人だった。どんどん車が近づいていく。もう顔もはっきりわかる。

「あ」

一瞬だった。女の人は軽い動きで橋の欄干を超えて、階段を下りる見たいな動きで橋の下に消えた。

「っ父さん!!!」

私はパニックに陥り、運転席に座る父の肩をバンバン叩いて車を停めるように頼んだ。今考えれば危ない事である。

しかし投身自殺を目撃してしまったのだ。それどころではない。早く救急車を呼ばなければ。しかし父は私の猛攻を無視して、走り続けながら落ち着けと言う。

「落ち着けるわけ無いやろ!!早く救急車呼ばなあかんやん!!!」

「呼んでも意味無いで、アレはもう死んでるから」

「そんなん分からんやんか!まだ生きてるかも知らんやろ!?」

「死んでるよ、俺があの女を見るんはもう5回目やからな」

父の言っている意味がわからず、思わず私の動きが止まる。

「もうずいぶん前に死んでるんや。でもそれに気づいてない」

そこでやっと気づいた。さっき見た女の人は、あちら側のモノだったのだ。

「自殺した人間っていうのは、自分から死にに行くくせに、本能のどこかでまだ自分は生きてるんじゃないだろうかと思う事があるらしいわ。

そんな思いがああいう形で残って、『また失敗した、早く死ななければ』って同じ事を繰り返すんやって」

何回も何回も自分の死を知らずに、同じ自殺を繰り返す霊、さっき見たモノもそういう類だろう。悲しいなぁ…と父は小さな声で言った。

曲がり角を曲がると、もう橋は見えない。変わりに、見慣れた近所の町並みが窓の外を流れていく。

以来、昼でもできるだけその橋は利用しないようになった。夜なら尚更だ。

今でも彼女は、あの場所で死に続けているのだろうか。

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