実体験 黒い
直視しなかったのが幸いか
部屋は角部屋で寝床は角部屋の端っこ、
角になっている所に丁度頭が来る感じだった
中2の頃、ポータブルゲームにはまっていた、
夜中、部屋の電気もつけずに、当時流行りの モ◯ハン1st に夢中になっていた。砂竜討伐だった
わけもわからずモンスターを追い掛け回していた時、
視線は勿論ゲーム機に釘付けだった
釘付けだったにもかかわらず視界の端で何かを補足した
ライトにカンカンに照らされた小窓側の壁に
ウオッと通り過ぎるどす黒い
位置はちょうど角の右側、角とその右側にある小窓の間の壁だった
それが何かと聞かれると、これと説明ができないような、物体でもなければ空中に浮いている訳でもない、気持ちの悪い気がした
ソレが補足された瞬間、自分は動いていないので影はそこに出来ないという確信的事実と、
もしや巷で噂されている黒い なるものではないかと不可解な思考で、ソレがこの世のものでは無いと思い冷や汗が上に登る感覚があった
冷静に考え、
一瞬自分の影か、とも思ったが全く微動だにしていないでゲームに熱中していた為、
影を演出しようともそこまで目立った影にもならない。
ベッドに無理やりつけた電球ライトは自分と壁の間にあり、壁にぶつけて小窓の方へ流す感じになっているのでその壁には影ができるとしても薄い白寄りのグレーになるだけ、
考えれば考えるほどパニックになり金縛りのように身動きが取れなかった
身体や周りには特に異変もなかったため
しばらくしてゲームを再開した
その夜は結局どうにもできない恐怖で眠ることができなかった