今年の六月下旬北海道のある町の温泉ホテルの部屋で体験したことです。昼から行われた講習会が終わり割りふられた一人部屋に入ったのは午後四時半頃、六時からの宴会に少し時間もありベッドに横になりテレビを見ながら眠ってしまった、電話で起こされ慌てて宴会場に向かった。八時頃宴会も終わり親しい仲間数人で近場のスナックに出かけた、私はアルコールがだめでウーロン茶を飲んで歌など歌い次の居酒屋に行こうと言うのを断りホテルに帰った。
部屋に入ると出た時より寒い、冷房が入っているのかとスイッチを見るがそうではない。
鳥肌が立つほど寒い、夜の街を半袖シャツで歩き体が冷えたのかと思って温泉につかり温まりる、うっすら汗をかくほどに温まり部屋に戻る。相変わらず部屋の中は寒く冷えないうちにとベッドに入るが寒い。
部屋に備え付けの少し厚手のパジャマを着る。
こんなに寒い部屋に泊まったことは今まで経験がない。真夏の冷房をかけた部屋でもこんなに寒くはない、眠れずテレビを見ながら夜中の二時半頃まで起きていた、少しうとうととしたら目が覚めた。ベッドの足元に何か黒い者が、子どもの背丈くらいでリングに出て来る貞子のようだった。
足を二三度ばたつかせた記憶はあるがその後のことは覚えていない。目が覚めると外は明るくなっていた。夜中に見た者が夢か現実かはいまではあいまいだがあの部屋の寒さは忘れられない。