今まで心霊経験が1度もなかった私ですが、この時ばかりは背筋が凍る思いをしました。

私は以前、病院の事務で働いていました。
病院の規模はかなり古く、年期の入った建物でした。
患者さんが使うスペースは照明を明るくし、綺麗に清掃していますが、
患者さんから見えないところ、つまり裏方では書類が積み上げられ、電気も節電いい、点けていない箇所がありました。

全体的に裏方は薄暗い印象があったので、職員同士で霊を見たとか、当直中に事務室から変な足音が聞こえたとか噂は常々ありました。

私は当直もなく、あまり遅い時間に病院にいることがなかったので、そのような経験は一度もありませんでした。

それは私がまだ入社したての頃、他部署の手伝いでカルテ整理を任されたことがありました。
13時から16時くらいの3時間です。ちょうど眠たくなる時間帯でしたし、体を動かして目を覚まそうと考えておりましたので承諾しました。


カルテを扱っている部署は私たち事務室と同じ建物の3階です。
2階~9階までは病棟があり、患者さんが入院していました。
しかし3階だけは病棟がありません。
前からなぜ3階だけ病棟がないのか気にはなっていましたが、3階は3階で経理室や調達室、会議用の応接室があり、
事務員が主に使用していました。


その日1階にある事務室を出て階段を上り、3階の他部署の部屋に行きました。
他部署の先輩から支持を受け、紙カルテを番号順にもくもくと整理していました。

すると、カルテの紙がなくなったので取りに行くよと先輩に誘われたので部屋をあとにし、
薄暗い廊下を進んで、同じフロアのある1室に入りました。


そこはその部署の方が倉庫として使っているのでしょう。「倉庫」と呼ばれるその部屋は
カルテ用の紙や書類が入った段ボールがたくさん積み上げられていました。

入ってすぐに先輩は慣れた手つきでガサガサ作業していましたが、私は何とも言えない違和感を感じていました。


なぜならそこは昔病棟として使っていたのでしょう。完全に4人部屋の病室なのです。
わかりやすく言えば、天井には4つのカーテンレールがあり、床にはベッドを置いていたらしき形跡があります。
窓はありますが、ガムテープできっちり閉じていました。

そしてなぜか左奥の箇所だけカーテンがついており、しっかりカーテンは閉じられていました。
まるでそこに誰か入院しているかのように……


私「ここ、

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