怖い話を聞いても怖いとは思わない。
一番怖いのは人間だよ。


あれは残暑が残る秋口のことだった。

夜中に隣の家からすごい音がして目が覚めた。
隣の家は幼馴染のA君の家で、部屋の窓から外の様子をうかがった。

すると、まずA君の父親がパンツ一丁で庭に転がり出てきた。

複数の男にリンチされて、伸びたところでどこかに連れて行かれた。

怖くなって布団に入ると、A君の「出来ないよう」という泣き声がした。

俺はいつの間にか布団の中で失神していた。

翌朝、A君の家はめちゃくちゃだった。

近所中が誰も何も言わず音を立てずに一日を始めていた。

A君の母親はお金を工面しようと駆けずり回ったけど、出来なかったみたい。
しばらくしてA君とやってる写真がばら撒かれて、A君とどこかへ消えた。

夢の中で聞いたパンパンは夢じゃなかった。

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