彼は自分の家にいる犬が嫌いだった。

その犬は他人には懐くのに、何故か彼を見ると逃げ出したり、吠えて威嚇してくるからである。

彼はついにそのことに耐えかね、犬を殺してしまった。
その夜彼が家で顔を洗っている時に、鏡に知らない男が写っていることに気づいた。

知らない男は鏡に写る彼に向かって笑いながら言った。

「私はあなたがあの犬を殺してくれたことに感謝します。あの犬が吠えるおかげで、私はあなたの家に入ることができませんでしたよ、今まで」

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