とある都内の私立大学に通っているのですが、約1年前に実際に私が見たお話をします。




5限の授業を終えると、初秋とはいえ流石に辺りは暗くなっておりました。方面が同じで、一緒に帰る約束をしていた友人が大学の教授に用があるということでしたので、私は外のテーブルで座って待つことにしました。昼間は昼食をとる大学生で賑わっているこのテーブル周辺も、18時をまわると人気もなくさみしいものでした。

夏の暑さも消えない日中ですが、秋の兆しも見えようとしている時期ではありましたので、半袖姿の私は寒気からか尿意を催し、テーブルから近くのトイレに行きました。外のトイレとはいえ、そこは私立大学。改装したばかりで非常に綺麗で、幽霊など出る気配もありません。

トイレに入り、ふと個室に視線を移すと奥の個室だけ閉まっておりました。怖がりなのにホラー系が好きという小心者の性のためか、こんな時間に誰かいるのかと少々の恐怖心を抱きました。人間好奇心には勝てないもので、そんな私も個室に目が釘付けになっておりました。すると個室の下の隙間から足がチラリと見えたのです。

足の数は4本でした。いままで幽霊なんて見たことなかったのでゾッとしたのをよく覚えています。今まで気づきませんでしたが、耳を澄ますとハッハッと苦しそうな声が辺りに響いていました。

音を立てずにそろりと無事に外に逃げた私は、友人を待っていたテーブルに座りなおし若干の落ち着きを取り戻しました。今のはなんだったのか。改装されて綺麗ではあるものの、一応歴史のある大学でしたので、出てもおかしくはないのかもしれない…恐怖から早く戻ってきてくれと友人に急かすLINEなんか送りましたが、まだ取り込んでいるのか既読すらつかず…視線を上げると先ほどのトイレが目に入ってきてしまいました。嫌だなと思いつつ、ちらちらと見ておりますと、なんと扉が開いたのです。

私と4本の足の他には誰もいないはずでしたので、正体が明らかになるのを怖いながら興味が勝り、見届けようと思いました。よくある怖い話なんかはひとりでにドアが開き、周りには誰もいなかった…なんてオチでしょうが実話です。正体はすぐに現れたのです。


































現れたのは男2人でした。







思いましたね。幽霊なんていません。
1番怖いのはやはり人間です。

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