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長編
コピペ つんぼゆすり
匿名
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匿名
2016年7月10日
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こどものころ、伯父がよく話してくれたことです。

僕の家は昔から東京にあったのですが、戦時中、本土空爆がはじまるころに、祖母と当時小学生の伯父の二人で、田舎の親類を頼って疎開したそうです。

まだ僕の父も生まれていないころでした。

戦争が終わっても東京はかなり治安が悪かったそうで、すぐには呼び戻されなかったそうです。

そのころ疎開先では、色々と不思議なことが起こったそうです。

そこだけではなく、日本中がそうだったのかもしれません。

時代の変わり目には奇怪な噂が立つと聞いたことがあります。

伯父たちの疎開先は小さな村落だったそうですが、村はずれの御神木の幹にある日、突然大きな口のような「うろ」が出来ていたり、5尺もあるようなお化け鯉が現れたり。

真夜中に誰もいないにもかかわらず、あぜ道を提灯の灯りが行列をなして通りすぎていったのを、多くの人が目撃したこともあったそうです。

今では考えられませんが、狐狸の類が化かすということも、真剣に信じられていました。

そんな時、伯父は「つんぼゆすり」に出くわしたのだと言います。

村のはずれに深い森があり、そこは「雨の森」と呼ばれていました。

森の中で雨に遭っても、森を出れば空は晴れているという、不思議な体験を多くの人がしていました。

伯父はその森の奥にうち捨てられた集落を見つけて、仲間たちと秘密の隠れ家にしていました。

4,5戸の小さな家が寄り集まっている場所で、親たちには当然内緒でした。

チャンバラをしたりかくれんぼをしたりしていましたが、あるとき、仲間の一人が見つからなくなり、夕闇も迫ってきたので焦っていました。

日が落ちてから雨の森を抜けるのは、独特の恐さがあったそうです。

必死で

「お~い、でてこ~い」

と探しまわっていると、誰かが泣きべそをかきはじめました。

伯父は

「誰じゃ。泣くなあほたれ」

と怒鳴ったが、しだいに異変に気付きました。

仲間の誰かが泣き出したのだと思っていたら、見まわすと全員怪訝な顔をしている。

そして、どこからともなく聞こえてくる泣き声が次第に大きくなり、それが赤ン坊の泣き声だとはっきり分るようになった。

ほぎゃほぎゃほぎゃほぎゃ

火のついたような激しい泣き方で、まるで何かの危機を訴えているような錯覚を覚えた。

その異様に驚いて、いたずらで隠れていた仲間も納屋から飛び出してきた。

そして暮れて行く夕闇のなかで、一つの家の間口あたりに、人影らしきものがうっすらと見えはじめた。

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