小学生の少女はこんな情報を仕入れた
【あるお墓の骨壺の骨粉を嫌いな人にふりかけるとその人を不幸にさせられる】
と、いうものであった。
早速仲のいいM子に学校で教えた。M子はその話に異常なまでに食いついた。
というのも、M子は担任に嫌がらせを受けていたからである。
「ねぇそのお墓、どこにあるの?」
興味を示すM子に嬉しくなって、場所もペラペラと教えてしまった…。
放課後。いつものように2人途中まで一緒に帰る。
「私、今日あたりそこに行ってみようかな〜」
「そこって…お墓に?」
「そうだよー担任を呪えるなら簡単なことじゃん」
どうやらM子は本気だった。このまま寄り道してお墓に行くという。
「やめなよ、やっぱ怖いよ」
「何言ってんの、K子が言い出したことじゃん」
「でも…」
「もういいよ、1人で行くから!」
M子はスタスタ歩いて行ってしまった。怖気づいたK子はそそくさと自分の家に帰った。
夜。部屋で宿題をしていると、お母さんが下の階から声をかけてきた。
「M子ちゃんのお母さんから電話よ」
電話を取ると、M子の母はひどく慌てていた。
「K子ちゃん、M子知らない?」
「えっ…」
「今日家に帰ってないのよ」
「知らない…です…」
「そっか、ごめんね」
ツー…ツー…ツー…
M子は本当にお墓に行ってしまったのだ。しかも家に帰っていない…。K子はなぜか知らないと答えてしまった。
私しかお墓のことは知らない…。行くべきなのだろうか。
翌日の放課後。K子は意を決して例のお墓に向かった…
まだ日の出ている夕方にお墓についた。ジメッとした雰囲気と薄暗い墓地の奥に、そのお墓はあった。
足を踏み入れていくと、一歩ずつ一歩ずつ拒まれているかのように足が重くなった。しかし行かなければならない。
そのお墓だけが特に異様な雰囲気に包まれていた。
意を決してK子は骨壺を取り出した。
蓋をあけると中は当たり前だが真っ暗だった。顔を近づけながら見ても、何の変哲も無い骨壺。
(な〜んだ、あの噂は噂に過ぎないのか)
K子は骨壺から顔を離し、元にしまうことにした。
が、しかし、様子がおかしい。
骨壺の中が光っている。まるで、映画館のスクリーンのように、映像が流れ始めた