皆さんは「犬」を知っているか?


いや違う、「ニャーニャー」鳴くのは「猫」である。


私が言っているのは「ワンワン」吠える方のことである。














インドの犬は怠惰である。


「怠惰な犬」というと昼間から木陰で寝ていて誰が来ても吠えないような犬を想像するかもしれない。


しかし、インドの犬は違う。


インドの犬は真昼間から道の真ん中で「大」の字になって寝ているのである。

















「犬」の字になって寝ているのである。







歩行者がいくら近くを歩こうと、インドの犬はよけたりはしない。


「インドは『狂犬病』があるから、人間は不用意に触ることができない。」ということを知っているのであろうか。


あるいは、覚せい剤に手を染めてしまったのだろうか。


インドの犬は誰に遠慮することなく真昼間から好きなところで好きなだけ寝るのである。


もし、「ナマケモノ」がインドの犬を見たなら、あまりの怠けっぷりに驚愕し、反面教師とし、次の日から「ハタラキモノ」になるだろう。









このような状況を見て私は、「五代将軍・徳川綱吉公」の時代を想像した。


「生類憐れみの令」が出され、「お犬様」は大切に扱われていた時代である。


現代のインドはまさに綱吉公の理想郷である。


私は、綱吉公の理想郷と現代のインドを重ねて思った














「江戸時代のみなさーん、お疲れ様でーす。本当に大変な時代ですねー。ウィキペディアに「天下の悪法」って書いてあったけど、本当にその通り!日本の犬はまだしも、このインドの犬をみて大切にしろとかマジで無理。なんか見てるだけで腹立つもん。せめて道の端で寝ろや、ボケ!いやー、マジで現代に生まれてよかったー」




と。













あれから十数年。


インドの犬も日本の犬のように元気にワンワン吠えたり、多少は謙虚になっているだろうか?









私は断言する












「あいつらに限ってそれはない!」   完





*「私」が実際に体験した「本当にあった怖い話」シリーズ
① スーパー銭湯
② 扇風機おじさん
③ 喪黒兄
④ 「死」の概念
⑤ 自転車チャンピオン
⑥ スネオ系男子
⑦ ケンシロウ
⑧ 綱吉公の理想郷
⑨ 禁忌と懺悔

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