友達のお父さん(以下Gさん)が体験したらしい話です。
Gさんが子供の頃住んでいた家の近くには誰もいないお寺がありました。
そのお寺には窓もなくとても古くて汚れていましたがその中は風通しもよくとても涼しかったため夏になるとGさんはそこに忍び込み友達たちとその頃流行っていた面子やトランプ遊びなどをしてよく遊んでいたそうです。
そんなある日、いつものようにそこで遊んだその帰り道、Gさんはお寺に持って行ったトランプを忘れてしまい一人でお寺にトランプをとりに行きました。
トランプを見つけそれを持って帰ろうとしたとき後ろに誰かの気配を感じ振り向くと自分と同じくらいの歳の浴衣のようなものを着た女の子(以下Oちゃん)が立っていました。
Oちゃんはトランプを指差し
「なんだ?それ」
と言いました。
Gさんが「トランプだよ」と答えるとOちゃんは首を傾げました。
Oちゃんはトランプを知らないようでした。
Gさんはトランプのことを説明しトランプ遊びをいくつか教えてあげましたが全くルールを覚えませんでした。
どうやらOちゃんはルールを覚える前に数字の意味がわかっていないようで数字やアルファベットが書いてあるカードの右上を指し「これはなんだ?」と聞いてきたらしいです。
GさんはOちゃんがトランプをするのは難しいと思い面子を教えることにしました。
面子のことはすぐに覚えられたらしくOちゃんはとても楽しそうに遊んでいたそうです。
Gさんは帰ることも忘れ夢中でOちゃんと遊んでいましたが二時間ほど経ち、Gさんはおかしなことに気が付き始めました。
もう夕方になって暗くなってもいいはずなのに外はずっと明るいままだったのです。
ふとOちゃんを見ると、Oちゃんは最初に見たときより痩せていました。
気のせいだと思いましたがしばらくしてOちゃんをもう一度見ると怖いくらいガリガリになっていました。
Gさんはさすがに怖くなり面子をほったらかしにして帰ろうと振り返るとさっきまでいなかったはずの浴衣を着た女の人が火のついたロウソクを持ち立っていました。
Gさんはその女の人に「誰?」と聞くと後ろにいたOちゃんが消え入りそうな声で
「うちのお母だ」
と答えました。
Oちゃんのお母さんはお寺に火を付け始めました。
Gさんが恐怖で動けないでいるうちに火はどんどんお寺を包み始めました。
Gさんが「もうダメだ」と思ったときです。
いつの間にか更にガリガリに痩せて倒れ込んでいたOち

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