この話はおそらく俺が生まれて初めての不思議な体験だと思う、そんなお話し

俺が幼稚園入る前で、ギリ覚えてるくらいだから多分、4才くらいの時だったと思う。

俺が4才くらいの時はもう外で一人で遊んでたし、物事の良い悪いのだいたいは理解出来てたし、会話も普通に出来てた筈だ。

しかし、その頃から六歳くらいまで記憶が途切れ途切れと言いますか、俺の幼少時代の記憶が所々に穴が空いてるような…
何て説明して良いか分からないけど、覚えてる筈なのに途中から思い出せないとか
そんな事が多い。

話を戻します。

俺が4才くらいの時です。ちゃんと覚えてます。
俺は、祖母の家に来ていた。
そこの近所に住む同い年の男の子と遊んでいて、日も暮れてきたしそろそろ帰ろうかと、俺はその友達と別れ、歩いてすぐの祖母の家に帰ろうとしていた時

その日は何となく、まだ帰りたくなく、
祖母の家の近くまできたが家に入らず、外で一人で遊んでいました。

俺は子供ながらに、寂しくなって
無性にお母さんに会いたくなったのを覚えてる

お母さんは仕事をしているから。
その日は確か、お母さんは用事があっていつもより帰りが遅く、
俺が寝てる頃に迎えに来るって日だった。

俺は母親が恋しくて外でしばらく一人で泣いてた。
気がつくと、俺はそのまま祖母の家じゃなく自分の家に向かって一人で歩いていた。
勝手に行ったらきっと婆ちゃんに怒られる

それでも俺は母親に会いたかった。
自分の家は隣町にあり、祖母の家から約5㎞離れた所にある。
大人なら歩いて行ける距離だが、4才の子供には遠すぎる距離だ。
それでも俺は行こうと思った。
行ける気がした。

一人でしばらく歩いた。
祖母の家からだいぶ歩いた。もうここまで来たら引き返せないと思った。俺はひたすら自分の家に向かって歩いた。

外はもう真っ暗になっていた。
辺りは誰もいない。
俺は怖くなり、子供ながらに車通りの多い大通りを目指してまた更に歩いた。

もう少しで大通りに出る。
あとちょっとで暗い夜道を抜ける。


すると何処からか、
「…、う~ちゃん…、う~ちゃん…、」
と声が聴こえる。

「誰??」
俺は辺りを見回したが勿論人なんて誰もいない。
しかし、また
「う~ちゃん…、う~ちゃん…、」
と今度は近くで声がする。

「ゆうちゃん…?」
と俺は自分の名前を呼んでいるんだと思った。
しかし、近くで聴こえるのに辺り一面誰もいない。

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