これは悲しく残念な話。実害が起きている実話だ。

高校の卒業式が終わった後日。
田舎で育ったからか、大抵の奴は進学か就職でも一旦は県外に出る奴らばかりなんで、毎日誰かが地元を離れていくような、そんな時期。

俺も県外に進学の為に引越しの荷物をまとめていたら、友人Mがまだ残ってるメンバーで最後になんかして遊びたいって言ってきた。

その時は準備も終わり、荷物も整理できていたから軽くOKをした。

その日の夜にMから召集されて、夜に別の友人T宅にお邪魔することに。

T宅は敷地内に住宅と別に倉庫のような離れ部屋があって、T曰くアニキが親に頼んで昔からあった池を潰してまで作ってもらったものらしい。

でもナゼかあまり使わないまま、上京したので今はたまにTがギターの練習をする場所だとか。

その日は俺と友人T、友人M、友人Yの四人で鍋しようってなった。Mが一度やってみたかったという闇鍋をすることに。

暗い部屋に集まって、カセットコンロの上の鍋にみんな無言で各々何かを入れていった。

俺はスルメを入れた。

そのまま煮込むと出来上がりだ。野郎同士、おそるおそる箸で摘まんで食べてみると非常に甘口な、でも何だか食える〜〜ってキャッキャいいながらカセットコンロの灯りのみでその闇鍋を食べていった。

思いの外、盛り上がったところでMが「実は・・・」とカバンからテキーラを出してきた。

その頃は俺はお酒なんて飲んだ事は無かったし、躊躇していると、
「そういうことなら・・・」とTも襖から日本酒を出してくる。

Yに至っては家では既に親父の晩酌に付き合っているなどというから、離れのお部屋だし、数日後には上京してしまうし、とにかく高校卒業したし!で祝い酒することになってしまった。

みんななんだかんだ飲み慣れている話のワリにあやしい手付きでコップに酒を入れて飲んでいる。

俺は本当にその日が初めての飲酒ですぐに真っ赤になった。

それでも意地になって液体がなくなるまで、日本酒もテキーラも混ぜこぜに飲んだ。

きっと、みんな意地になって飲んだと思う。

飲み方を知らない俺たちは限界を超えて潰れた。

・・・寒くなって目が覚めた。


頭が痛くて身体も動きにくい。

やっとの事で上半身を持ち上げる

テーブルの周辺に各々が眠っているようだ。

誰が誰だか分からないが

誰かのイビキが酷い

寒かった俺はカセットコンロのスイッチをひねった。暗

通常版で読む