あれはちょうど仕事から帰宅して、近所の駐車場に車を停め歩いて帰る途中の出来事でした。
急に腹が痛くなり、トイレに行きたくなりました。
家まで歩いて5分、しかし間に合いそうになかったため駐車場の隣の公園(只のグラウンド?)のトイレに入りました。
あまりキレイじゃなさそうだったので、貴重品以外はドアの前に置いて用をたしていると何かボソボソ声が聞こえるんです。
何を話しているか良く聞こえませんでしたがボソボソしゃべっています。
私は、その時荷物の無事が気になっていたのですが、だんだん声がはっきり聞こえるようになってきました。
耳を澄ますと、どうも「殺してやる」って言ってるのです。
焦りました。
てっきり、当時話題になっていたヤクザの抗争がらみの電話でもしているのだと思いこんだ私は、トイレから出られず困っていると気がついたのです。
さっきから同じ事しか言っていない事に。
「・・・殺してやる」しか言っていない。
電話ならちょっとおかしい。そしてだんだん声が大きくはっきり聞こえるようになってきました。
「・・・な、殺してやる」
「・・・したな、殺してやる」
あ、これヤクザじゃないって思った瞬間
耳元で「汚したな、殺してやる」
ってはっきり言われました。
そして声はピタリと止みました。
なんかだんだん腹が立って、人が用をたしてる邪魔をして何が楽しいと殴るつもりでトイレから出てトイレの周りを見回しましたが当然何もおらず。
たいした話じゃ無いですが、映画などで幽霊がすぐ耳元に居て振り返ってもいないって演出はあながち本当なんだなぁと感心しました。