初めに。この話はかなり長いので、気になる方だけお読み下さい。怖いと言えるほど、怖くはないと思います。
僕が体験したのは、怖いというより不思議な出来事です。
毎年、冬の季節になると、その一連の出来事を鮮明に思い出します。
今となっては懐かしい...そんな出来事が起きたのは、僕が中学3年生の頃です。
中学3年生というと、高校受験の勉強でみんな忙しい季節です。
当時の僕は、私立の受験には受かったものの、本命の公立に向けて必死になって勉強していました。
そして、その出来事が起きたのは、この季節でした。
その日、僕は久しぶりに友達数人と遅くまで校庭の近くで話して過ごしていました。
受験の季節で、友達と長く語れなかった季節ですから、すっかり夢中になって過ごしていました。遅くと言っても、大体6時半頃です。
校庭では、サッカー部がまだ活動していましたし、隣のコートではテニス部がボールを打つ耳慣れた音も聞こえました。
友達数人は同じ塾に通っていたので先に帰り、僕も帰ろうと思ったのですが、学級日誌を先生に提出していなかった事に気付き、校庭に背を向けて校舎に向かいました。
その時です。彼女を見たのは。
最初は別に違和感なんてありませんでした。僕達の学校の制服を着ているし、まだ部活中の子もいますし。
むしろ、その彼女の第一印象は『可愛い!』でしたね。
髪型はショートというか、こけしヘアー?で、容姿もすごく美しい子でした。
ただ、本当に不思議な事ってあるんですよね。その子の表情は、何とも言えない、悲しく、冷たい表情でした。
その表情を見た瞬間、冬の冷たく、いつになく怪しい風が吹いたのを覚えています。
その子は校舎を見上げていましたが、すぐに玄関に入って行きました。
僕も同じ玄関にすぐに入りましたが、その少女は見当たりませんでした。
別にこの時も、不思議な子だな〜、ぐらいにしか思いませんでした。
この学校はA棟からC棟まであり、職員室はB棟の2階にありました。
玄関からホールに向かい、そこから階段を上がって2階にすぐにつき、職員室に向かおうとしたとき、3階に向かう階段の踊り場に、1人の少女を見ました。その背格好を見て
(あの、校舎を見上げてた女の子かな?)
職員室はもう目の前なのに、なぜかその子が気になってしまい、3階に向かいました。
今思うと、なぜその子の事を追いかけたのか不思議