都市伝説の類い……というのかな。

よく誰かが「友達から……」あるいは「本当にあった……」と言う話の噂話が広がる。

大抵はその場かぎりの話で特に伝播することもなく埋没する話が多いものだ。

だが、中には創作主あるいはそれを体験した話し手の思わぬ形で語られた話は人から人へと伝わり、編纂され、時に命が吹き込まれる話もある。

それはいつしか創作上の話から逸脱し、誰かのどこかで実際に起こったこととして語られ、ついには現実のものになるものもある。

そして、語り手の語った内容はいつしか思わぬ形で共通の体験として語られるようになる。

君たちがいつか語った奇怪な話もどこかで伝播し、誰かの想いが募り、不特定多数の人間の共有された体験となったとき、物語は一つの真実になってしまう。

これが呪いが一つ出来上がるまでの過程だ。
呪いは人の想い一つでも出来上がってしまうものなのである。

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